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ハイスクール・ベイビー(二)

(一)に戻る


わたしは急いで凛ちゃんに電話をかけた。
しかし、時間はまだ朝の7時だった。

「ふあーい、どうしたの凛ちゃん?」

真奈ちゃんは寝ぼけた様子で応対した。
こんな時間だ。当然ながらまだ寝ていたようだ。
少し気の毒だったかなと思いながらも話を続けた。

「あっ、ごめん……まだ寝てたよね。でも、大変なの……! 
 真奈ちゃんが昨日言ってたあの言い伝えなんだけど、本当だったの!」

「ん~? 何が~? どういうこと~?」

「えーっと、それは……」

「まさか、またおねしょしちゃったの?」

「う……うん……」

「……ぷっ! きゃっはっは!」

一息を置いた後に甲高い声で笑い声を上げる真奈ちゃん。
電話越しに腹を抱えて「く」の字になっている様子がその声から容易に想像できた。

「わ、わらいごとじゃないよぉ」

「本当に~?」

「本当だよぉ……どうしよう……」

「そうだなー、おばあちゃんに聞いてみるよ!
 何か呪いを解く方法とか知ってるかもしれないし」

「本当? それじゃ申し訳ないけど、おねがい~」

「まっかせといて、話聞いたら連絡するね!」

はぁ、大変なことになってしまった。
これから毎日おねしょだなんてシャレにならない。

とにかくどうにかしないと……。

首を長くして真奈ちゃんの確認を待っていると、
8時頃になって携帯電話が鳴った。
真奈ちゃんから電話がかかってきたのだ。

「もしもし?」

「凛ちゃん、おばあちゃんに聞いてみたらさ、
 直接話したいから今から家に来いって。
 なんだか厳しい顔してたよ」

「ええ……なんかこの村の禁忌に触れたりしたのかな……。
 とりあえずわかった。これから行くね」

電話を切ると急いで着替え、真奈ちゃんの家に向かった。


「あらあら凛ちゃん、あけましておめでとう」

真奈ちゃんの家で最初に出迎えてくれたのは
真奈ちゃんのお母さんだ。

「あけましておめでとうございます」

新年の挨拶を交わすと、真奈ちゃんが出てきた。

「あっ、凛ちゃん。 おばあちゃん待ってるよ」

真奈ちゃんに案内されて、おばあさんの部屋に入る。
おばあさんの部屋は、The おばあさんの部屋と言わんばかりの、
神棚のある畳張りの部屋で独特の匂いがする。

おばあさんは部屋の中央に座してわたしを待っていた。

「凛ちゃんかね、元旦にからおねしょしたっていうのは」

おばあさんは垂れたまぶたを持ち上げてわたしを見つめる。
歳はもう90くらいになるだろうか、かなりお年を召しているが、
それでもまだまだはっきりしていて、
地に落ちそうな頬っぺたとしわくちゃの顔、
そして枯れ乾いた低い声はからなんとも言えぬ貫禄が放たれていた。

「は、はい……お恥ずかしながら……」

「ふうむ、あの呪いを解くのは大変なことじゃあ……」

「おばあさん、呪いの解き方を知ってるんですか!?」

「んむ……」

「是非、教えてください! このままじゃわたし、毎日おねしょすることに……」

藁にもすがる思いだ。本当にシャレにならない。
春には修学旅行が控えているのだ。
もし毎日おねしょしてしまう体質のままなら修学旅行なんて、
とてもじゃないが、行けたものではない。

わたしはおばあさんの前にひざまずいた。
すると、おばあさんはまるで禁断の呪法でも教えるような険しい口調で言った。

「呪いを解くには協力者が必要になる。
 しかも、その協力者は……凛ちゃん、あんた自身が本当に信頼を置ける
 人物でなくてはならぬ」

「本当に信頼を置ける人物……?」

「左様、しかも常に一緒に居られる人物じゃ。母親がいいんだがのう」

わたしの家は父も母も仕事の関係上、海外にいて常に留守している。
わたしが信頼していていつも一緒に居られる人物なんてのは……
そう、真奈ちゃんくらいのものだ。

でも、真奈ちゃんを巻き込むのはさすがに悪い気がする。
そう思った矢先、

「じゃあわたしは?」

と真奈ちゃんが自分から手を上げてくれた。
わたしはなんて良い親友を持ったのだろう。

しかし、おばあさんは難しい顔をした。

「ううむ、真奈にそれができるかのぉ……」


それでも、真奈ちゃんはいつになく真剣だ。

「おばあちゃん、わたしは何をすればいいの?」

おばあさんは真奈ちゃんの眼差しからその覚悟を見て取って
ふんと笑い、そして言った。

「それはじゃな、この子を赤ちゃんにするんじゃ」

『ええ!? 』

凛ちゃんとわたしで二人同時に声を上げる。

『わたしを(凛ちゃんを)赤ちゃんに……!?』

わたしを赤ちゃんにするとは、一体どういうことだろう?
おばあさんの話にさらに耳を傾ける。

「左様、凛ちゃんを赤子にすれば、呪いは解けるじゃろう……。
 これはまだわしが若かった頃の話じゃがのお、
 凛ちゃんと同じように元旦におねしょして、
 呪いをかけられてしまった子がおったんじゃ。
 じゃが、言い伝えどおりにその子を赤ちゃんにしたら、
 おねしょ癖も治ったんじゃ。きっと赤ちゃんにすれば
 呪いが憑く人を間違ったと、勘違いするんじゃろう」

なんとなく納得できるような出来ないような、不思議な話だ。

「しかし、呪いを解くには心の底から赤子に戻りきらねばならん」

「心の底から……」

「んむ、赤ちゃんになりきって、心の底から母親に
 甘えることができなければ、呪いは解けないのじゃ」

「でも……赤ちゃんになるなんて、どうすればいいんですか?」

「それはじゃな……赤ん坊の格好をして、赤ちゃんに成り切るんじゃ」

『ええ!?』

また二人でハモってしまう。

「しかも、生半可なものではだめじゃ。きちんと母親役が何から何まで
 全部世話して、凛ちゃんの心が赤子にならねば、呪いは解けぬ」

「そんな……」

これは要するに赤ちゃんプレイみたいなことをするということなのだろうか?
いくら凛ちゃんでも、そんなことをお願いするのは無理だ。
さすがに、そんなことはお願いできない。

……しかし、そんなわたしの遠慮や拒絶感とは裏腹に、
凛ちゃんは瞳の奥に使命感を燃やしていた。


「やる!わたし、凛ちゃんを赤ちゃんにしてみせる……!」

「ええ、良いの!?」

「だって、ほかに凛ちゃんの呪いを解く方法は無いんでしょ?
 それならわたしは全然構わない!」

真奈ちゃんはおばあさんにた対峙するように向かい合い、
まるでアニメの大詰めでヒロインのように胸に手を当てながら言った。

おばあさんは、真奈ちゃんの眼差しを試すかのように
右目の瞼を上げて、真奈ちゃんの瞳の奥を覗いた。
そして、真奈ちゃんの覚悟を悟ったようだった。

「よく言った……しかし、この道は険しいぞい……」

「師匠! お願いします!」

……一体この人たちはどういうテンションなんだ。
とはいえ心強い。

問題はわたしは本当に赤ちゃんになれるかどうかだ。
思ってみれば両親に甘えたことなど記憶にない。

父も母もいつも仕事仕事でわたしのことはいつも置き去りだった。
わたしには親とか家族とか正直よくわからないのだ。

だがしかし、ここで赤ちゃんになれないと
一年中おねしょするハメになってしまう。
こうなれば仕方ない、わたしも覚悟を決めなければならない!

「お願いします!」


こうしてわたしたちはおばあさんに弟子入りを果たすことになった。


「……で、これから何をすれば?」

「凛ちゃん、おぬしは家に帰りなされ」

「え?」

「これから真奈に呪いを解くまでの手筈を教える。
 じゃが、凛ちゃんがそれを知ってしまった場合、
 それに合わせた振る舞いをするじゃろう。
 しかし、それではただの儀式になってしまう。
 そうではなくて、心も体も赤ん坊に還らねばならん。
 そのためには、何も知らないほうがいいんじゃ」

「なるほど……そうですか」

妙な説得力がある。
要するに自然体のまま赤ちゃんにならなければならないということだ。

「じゃあ、方法を教えてもらったら凛ちゃんの家に行くから待ってて!」

「ありがと、それじゃよろしくね」

これからわたしは赤ちゃんみたいに……いや赤ちゃんになるのだ。
しかし、そんなことで本当に呪いは解けるのだろうか?
もしおばあさんの言っている方法で呪いが解けなかったら……。
不安な気持ちになりながらも家に戻った。

家に着いてから3時間ほど経ったあと、家のインターホンが鳴った。

「凛ちゃーん」

真奈ちゃんだ。

「はーい」

真奈ちゃんを玄関に迎えると、彼女は台車をもって大荷物でやってきた。
ダンボールに何やら詰めており、まるで引越しでもするかのようだ。

「すごい荷物で来たね……」

「凛ちゃん、今日からしばらく凛ちゃんちに泊まってもいい?」

「うん、いいけど……」

家はわたし一人しかいないので全く問題ない。

「よかった、着替えとか色々持ってきちゃったんだよね。そうそう、あとこれも」

真奈ちゃんはダンボールのなかを漁り始めた。
そして取り出したものは……

「じゃーん!」

「お、おむつ!?」

「うん、毎日おねしょしちゃうんだったら必要でしょ?
 それに赤ちゃんになるんだから当然おむつしなきゃいけないし、
 これから呪いが解けるまでおトイレは禁止だよ」

「ええ~!? ひょっとして、おむつにおしっこするの?」

「だって、おねしょ治すためでしょ?」

「な、なんかそれ本末転倒な気が……」

「早く治した方が後々に響かなくていいんじゃないかなー」

「まぁ……確かにそうだけど……。 うん」

修学旅行のためだ。仕方がない。

「それじゃ、これから凛ちゃんが赤ちゃんになるための決まりごとを言うよ?」

「決まりごと?」

「そう! 三箇条の決まりごと!

一つ、わたしのことはママと呼ぶこと。
一つ、ママのいうことは絶対。
一つ、ママには遠慮しないこと。

これらを守れば、わたしが凛ちゃんを必ず赤ちゃんにしてあげる!」

赤ちゃんにしてあげるって言われてもなぁ……。
それにしても真奈ちゃん、ノリノリである。

「わかった?」

「……わかった」

しぶしぶ納得する。

「では、早速おむつにします!」

「質問!」

「はい、なんでしょう?」

「おむつはまさか、真奈ちゃんが替えるんじゃないよね?」

「ブー! 『真奈ちゃん』じゃなくて『ママ』! やりなおし!」

もう赤ちゃんになるためのプログラムは始まったようだ。

「えー……そ、それじゃ、おむつは、その……マ、ママが替えるの?」

「ピンポーン! 正解!」

「ええー!? わたし一人でできるからいいよぉー」

「ダメです。赤ちゃんは一人でおむつを替えられません」

「ええ~……」

「はい、ママの言うことは絶対! そこのベッドにねんねして」

「うう……本当にやるのぉ~?」

「ママに二言はない!」

「ええ~」

「もう、さっきから『ええ~』が多い! 次から『ええー』とか『うう』とか言ったら、『ばぶぅ~』に変えて言い直すこと!」

(ええ~)

心のなかでせめて抵抗してみる。

「はい!今、心のなかで『ええ~』って言ったでしょ!
 心のなかでいいから『ばぶぅ~』って言い直しなさい!
 ママには分かるんだからね!」

(ばぶぅ~)

真奈ちゃんは読心術でも身につけてきたのだろうか……完全に心を読まれている。
このママは油断ならない。

「おむつ替えますよ。 ベッドにねんねして」

「はぁい……」

とうとう観念してしまった。
気は進まないが、ベッドにねっころがる。

「はい、それじゃあんよこっちに向けてー」

「うう……」

誰にもこんな格好みせたことないのに……!

「はい、今『うう……』って言った! ばぶぅって言い直して!」

くっ、流石真奈ちゃん、しっかりものだけあって抜け目がない。
仕方なくルールに従う。

「ば、ばぶぅ~」

「うふふ、いい子でちゅね~」

死にたい……。

「それじゃおパンツぬぎぬぎするよー」

真奈ちゃんがわたしのスカートのなかに手を伸ばす。
そして、パンティに手をかけた。
恥ずかしくておもわず顔を手で隠してしまう。

真奈ちゃんの手によってするするとパンティが下げられていく。
下半身がひんやりする。

あっというまにパンティが全部脱がされてしまった。
ああ、わたしのあそこは真奈ちゃんにもう丸見えだ。
同性といえどこんなポーズで、わたしの大事なところを
見られるなんて恥ずかしすぎる。

「はい、次はおむつあてようねー」

凛ちゃんはわたしの腰を浮かせると、お尻の下にすばやくおむつを敷いた。
そして、丸い缶のなかに入ったベビーパウダーをたくさんパフにつけて、
わたしの足を持ち上げ、あそこを中心にぽんぽんとまぶしていく。

真奈ちゃんにこんなことされるなんて……。

恥ずかしいような、情けないような、悔しいような、
七色の羞恥がわたしの五体を駆け巡る。

真奈ちゃんのおばあさんが
「呪いを解くには本当に信頼の置ける人物の協力が必要」
と言っていたのはこういうことだったのか。

いやいや、こんなことをされるのは例えお母さんであってもお断りだ。
それならもういっそのこと、一年間おねしょしたほうがマシかもしれない。

しかし、こうして真奈ちゃんの思うようにされているのは、
この場合においては、真奈ちゃんだからこそ、
それを許せてしまうと言ってもいい。

そう、真奈ちゃんは絶妙なのだ。
真奈ちゃんの調子のいいノリについつい乗せられて、
おふざけでもしているつもりになって、わたしも悪ノリしてしまう。
いまもどこか、そういう悪ノリ的な部分が働いてそれを許してしまっているのだ。

しかし、ああ……。
親友におむつを当てられるなんて、これはもう変態の領域だ。
危ない道に進んでいるような気がする……。

そんなわたしの不安などいざ知らず、
真奈ちゃんはテキパキとわたしのお股をおむつで包み込み、
テープを伸ばしてウエストで留める。

「はい、出来上がり!」

真奈ちゃんはひと仕事やり遂げてご満悦だ。

「どう、おむつの穿き心地は?」

なんだか、お尻がもこもこになって妙な温もりを感じる。
でもなんだろう、このお尻全体が包まれたような感覚はパンティのそれとは全く違う。
どこか懐かしくて、安心感みたいなものを感じる。

自分が赤ちゃんだった時の記憶が呼び覚まされているのだろうか?
ぶっちゃけて言えば、おむつの感覚は思ったほど悪くない。
しかし、それにしても……。

「うう……恥ずかしいよ……」

「あっ、いままた『うう……』って言った!」

……しまった。

「……ばぶぅ」

観念して言い直す。

「はい、よくできまちた!」

真奈ちゃんはわざとらしい赤ちゃん言葉でわたしを褒めあげる。
なんだか自分のアイデンティティーがどんどん破壊されていってる気がする……。

そんなこんなでわたしが赤ちゃんになるための修業が始まった。

お昼の時間になるとご飯は真奈ちゃんが作ってくれた。
わたしはただ寝転がっているだけだった。

ああ、こういう時はすごく楽だ。
わたし一人で自炊する時は精々1、2品目だが、
真奈ちゃんはあっという間に4品目作ってしまう。
しかも真奈ちゃんの作るご飯は本当に美味しい。
真奈ちゃんは間違いなくいいお母さんになると思う。

うーん、真奈ちゃんの旦那さんがうらやましい。

あっという間に真奈ちゃんの料理を平らげてお腹が満腹になると、
おしっこをしたくなってしまった。

キッチンで食器の片づけに勤しむ真奈ちゃんの様子をちらりと伺う。
これはやはり、おむつにおしっこしなければならないのだろうか。

その場合、おしっこでぬれたおむつを替えるのは真奈ちゃんなのだろうか。
いや確認するまでもない。今までのパターンだと間違いなくそうであろう。
真奈ちゃんは本気でわたしを赤ちゃんにしようとしている。

しかし、わたしとしても流石におむつにおしっこしたあと、
おむつまで変えてもらうなんて恥ずかしすぎる。
いや、いずれそういうことをされるにしても、今はまだその時ではない。

何か手立てがあるはずだ。
それを考えつくまで必死に我慢だ。

そんな感じで抵抗してみたものの、
特に真奈ちゃんの目を盗んでトイレにけるような
画期的アイデアは思い浮かばず、尿意だけが高まっていく。

体をもじもじせずにはいられない。

きっと無理矢理トイレに駆け込んでも引っ張り出されて、
挙句おもらしする様子をそのまま舐めるように見られてしまうだけろう。

(もうだめ……、もう我慢できない……)

どうしよう、ここままでは決壊する。

(そうだ、少しずつ出せば……)

≪じょっ……じょじょ……≫

少しばかりおむつを濡らした。
しかし、おしっこはそこで止まらなかった。
限界が状態からおしっこを止めるのはあまりに無謀だった。

≪じょ……じょぉぉぉぉおおおおおお~≫

(きゃっ……どうしよ、止まんない。おしっこが止まんないよお……!)

もう我慢していないも同然だった。
どんどんおしっこの温もりが広範囲に広がっていき、
それと同時におむつにもったりとした重みがつけられていく。

(はぁぁぁぁ……やっちゃった……。おしっこ全部出ちゃったぁ……)

我慢していたせいで、普段よりおしっこが大量に出てしまった。
そしておむつはおもらしする前よりもかなり膨らんでいた。

(おむつってこんなに膨らむんだ……)

おしっこを出した体積分、おむつが膨らむのは
よくよく考えてみれば当たり前の話だが、
実際にやってみると想像以上に膨らんでいるのが分かる。

真奈ちゃんはまだわたしがおむつにおもらししてしまったことに気づいていない。
どうしよう……、このままやり過そうか……。

そしらぬふりをして、そっとこたつのなかに入る。
お尻がぐちゅぐちゅして気持ち悪いけど仕方ない。

新年早々おむつの中におもらしすることになるなんて……。
なんだか自分がすごいダメな子になった気がした。

「よっし、食器洗い終わり」

数分後、真奈ちゃんは冷水で赤くなった手をこすりながらこたつに入ろうと布団を持ち上げた。

「あれ……? くんくん……」

なにやら異常を察したらしく、
真奈ちゃんはこたつの中に自らの顔を突っ込んだ。

「ちょっ、なにやってんの?」

「あれぇ~? なんだかおしっこの匂いがするけど?」

しまった。
おしっこのにおいがおむつから漏れてこたつの中に充満していたのだ。

「……」

真奈ちゃんの顔をみるのが恥ずかしくて思わず顔をそむけてしまう。

「凛ちゃん、おもらししちゃったな~?」

「べ、別に……お、おもらしなんかしてないって……」

「隠しても分かるんだから! ママにおむつ見せてみなさい!」

そう言って、真奈ちゃんはわたしの両腕を掴んでこたつから引きずり出す。

「ちょ、ちょっとやめて~!」

そのままわたしのスカートをめくり上げると、
真奈ちゃんの面前に大きく膨らんだおむつが露わになってしまう。

「ほら、こんなにおむつが膨らんで! おしっこしたらきちんとおむつ換えないと、
 おむつかぶれしちゃうでしょ?」

「でもぉ……」

「はい、足を開いて! おむつ替えるよ!」

しぶしぶ足を真奈ちゃんのほうに向けて開く。
おしっこで膨らんだおむつが真奈ちゃんに丸見えだ。
恥ずかしさで頭が真っ白になる。このまま死んでしまいそうだ。

真奈ちゃんは腰の位置にあるテープをびりびりと左右と剥がした。
おむつに封印されたおしっこのにおいが一気に解き放たれる。
真奈ちゃんにも当然このにおいが伝わっているだろう。

しかし、真奈ちゃんは嫌な顔をせず、おしりふきでわたしのお股を丁寧に拭きあげる。
そして濡れたおむつの代わりに替えのおむつをお尻に敷く。
その真剣なまなざしに思わず感心してしまう。

「ママ……、嫌じゃないの?」

「何言ってるの、わたしは凛ちゃんのお母さんなんだから嫌なわけないでしょう?」

当然のように言う真奈ちゃんに、
不覚にも少しだけその母性的なやさしさが、
心地よい感じがしてしまった。

わたしは今まで両親からこんな愛情を与えてもらったことがあるだろうか。
今までそんなことは何も気にしたことがなかったが、
今はなんだか胸が苦しく切ない気持ちになる。


そんなわたしの気持ちなどつゆ知らず、真奈ちゃんは続けて、赤ちゃんパウダーを
わたしのお尻にまぶしたあと、おむつの前方をお腹の下にかぶせて、
再びテープで留めた。

「はい、おむつ替え終わり」

「……ありがとう」

「どういたしまして」

わたしは、さらさらになったおむつにどこか安心感を感じていた。
よく説明できないが、恥ずかしい気持ちとは別に、
わたしの中に新しい感情が芽生えつつあった。
しかしそれはまだ、いまのわたしにはむず痒くて受け入れることができなかった。
それでも、その感情は胸の奥で少しずつ、ちりちりと赤く煌めきはじめていた。

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小さな女の子のおむつ・おもらしの小説を書いています。
モットーは、ロリ・おしっこ・おもらし・おむつです。

ハンドルネーム:でぃあぱん

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※おむつ・おもらし関連限定です。m(_ _)m
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