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おもらしユキちゃんとは呼ばせない(一)

ユウタは小学三年生で、つい最近この郡に引っ越してきた。
人口一万人にも満たないこの郡では、ほかの田舎の例に漏れず、
農業が盛んで、田んぼや畑が一面に広がっており、張り巡らされた
水路には透き通った水が太陽の光を反射しながらそよそよと流れている。
車が一本通れるくらいの砂利道にはトラクターがどろどろと低い音を出し、
車体を揺らしながら走っていた。

ユウタが越した家のお隣には『おもらしユキちゃん』
と呼ばれる女の子が住んでいる。ユウタと同じ小学三年生にも関わらず、
よく教室などでおもらしをしてしまうため、周りの子にそのあだ名をつけられた。

ユウタがその『おもらしユキちゃん』と知り合ったのは、
両親と二歳になる妹と共に、引っ越しソバを持って
近所めぐりをしたときのことだった。

玄関前で両親が「引っ越してまいりました」「あらわざわざご丁寧に」と
お決まりの挨拶を交わす中、ユウタは挨拶先のおばさんの背中に隠れて
自分たちを覗く女の子のことが気にかかっていた。

ユウタは母親から事前に、自分と同級生の女の子が住んでいること
を聞いていたが、それがこの子のことだった。

「ほら、ユキも前に出てきちんとご挨拶しなさい」

ユキは母親に促されておずおずしながら前に出ると、小さな声で

「こ、こんにちは……」

と言って頭を下げた。
ユキは平均的な小学三年生より小柄であるが、背中まで伸びる
長い栗色の髪の毛を束ねてポニーテールにした、
色白でくりっとした目の可愛らしい子だった。

気弱な性格のようでおじおじとしながら再び母親の背中に隠れた。
それでもユキはユウタのことが気になるようで、母の背中から首だけ出して
ひょっこり覗いてはユウタを見て、
ユウタと視線が合えば隠れるといったことを繰り返した。

「ごめんなさいね、人見知りする子で……」

ユキの母親は苦笑いした。ユウタは「オッス」と言って彼女に応じた。
ユウタはユキと対照的にあまり人怖じしない子供だった。

「こらユウタ。オッスじゃないでしょ、きちんと挨拶なさい」

「ふふ、ユウタくんは元気そうな子ねえ」

「そうなんです、やんちゃでいつもはしゃぎまわってて
 ……お嬢ちゃんも、ユウタをよろしくね」

「ほら、ユキ言いたいことがあるんじゃないの?」

ユキの母親はユキの肩を掴んで前に出すと、ユキは手をまごまごさせながら、
なんとか聞こえるくらいの小さな声を絞り出してユウタにいった。

「あ……あそぼー」

人見知りのユキにとって、積極的に他人を遊びに誘うのは珍しいことだった。

「ふーん、別にいいけどぉ?」

ユウタはすこし照れ隠し気味に言った。

「ふふ……この子ったら、お隣に自分と同い年の子が来るのが
 うれしいみたいで、『隣の人はいつくるの?』『まだこないの?』って
 ずっと言ってたんですのよ」

「あらユウタ、よかったじゃない?可愛い子が一緒に遊んでだってよ?」

「ユキ、近所をユウタくんに案内してあげたら?」

ユキはこくりとうなづいた。
ユウタはやれやれ付き合ってやるかとでも言いたげな
素振りをしてユキの後についた。

ユウタとユキは家を出てすぐにある竹林が生い茂る
舗装されていない砂利道をぶらぶら歩きながら話した。

「ここらは本当に畑ばかりだなー」

「田舎だから……、ユウタくんはどこからきたの?」

「東京。親の都合でね」

「そうなんだー、都会だね。……友達もたくさんいた?」

「百から先は覚えてねぇな。ユキは?」

「私は……」

ユキはうつむいたまま何も言わなかった。
ユキは物怖じしやすく、誰に対しても遠慮がちであった。
それはユキのおもらし癖によるものであった。
学校ではクラスメイトからおもらし癖のことで馬鹿にされ孤立していたのだ。
ユキには友達と呼べる存在が一人もいなかった。
そのため、ユキは教室の中でいつもひとりになって寂しい思いをしていた。

授業で班を作る時は余りもの扱いされていたし、班で机をつけて話し合う時も、
一人だけ少し離されていた。そういう体験があり、
ユキは次第に人見知りするようになっていったのである。

それでも、ユキはひたむきで家の隣に同学年の子が引っ越してくると知った時、
その子とは何としても仲良くなりたいと思っていた。

だからユキは勇気を振り絞ってユウタを遊びに誘ったのだ。

二人は丘の上にある神社や、これからユウタも通うことになる小学校など、
様々なところを回った。

ユキは場所が変わるたびに
「ここの家の犬は近づくと襲ってくるから気をつけて」だとか、
「神社では夏になるとお祭りがあって、その時は(田舎なりにだが)大勢の人があつまる」
など、一生懸命ユウタに説明した。

その甲斐あってか、ユウタもユキに親近感を覚え始めた。
ユウタは人前では強がっていたものの、
新しい環境に連れてこられて、実は不安を燻らせていた。

いくら人怖じしない性格といえども、生まれ育った場所を離れ、
知らない場所に連れてこられて不安を感じないわけがなかった。

しかし、早々にユキとこうやって話していくうちに
その不安も和らいで気が楽になっていた。

二時間ほど近所を巡り巡ったあと、ユウタはユキに連れられて駄菓子屋に行った。
駄菓子屋は子供たちの社交場である。近所に住む同じ学年の子が何人かいた。
ユキはそれを見てバツが悪そうにして立ち止まった。

ユウタはユキの様子を見て不思議そうに「どうした?」と尋ねた。

すると、

「あら?『おもらしユキちゃん』じゃない?」

駄菓子屋にいた女の子のひとりがユキの存在に気づいて、
わざとらしい口調でそう言った。

(おもらしユキちゃん? 何だそれ)

ユウタがユキの方に目をやると
ユキは怖気づいた様子でまごまごしていた。

「その子、誰?」

女の子は見慣れないユウタに視線を置いた。
この女の子の名前はサヤコと言い、小学校では女王格の女の子だった。サ

ヤコの家は立花家といいこの地域の名士であり、
立花家に訪れては過剰なまでにへりくだる客人と、
それをたしなめようともしない両親を見てサヤコは育った。

そのせいで、大人のたちの力関係は
そのままそっくり、子供たちに投影されていた。

駄菓子屋にいた子供たちは号令でもかかったかのように、
ユキと新参者のユウタを取り囲んだ。

この町はかなり田舎だったので、
よそ者が引っ越して来るのは珍しいことだった。

「つ、ついこの間、ウチの隣に引っ越してきた子で、ユウタくんっていうの」

ユキはびくびくしながらサヤコにユウタを紹介した。
するとサヤコはまるでお節介でもやくかのようにユウタに忠告した。

「ふーん。ユウタくん? 忠告してあげる。
 その子すぐおもらしするから気をつけたほうがいいよ」

「えっ?」

突然のことに最初、ユウタは状況がつかめなかった。
サヤコは続けた。

「だからね、みんなで『おもらしユキちゃん』って呼んでるの。ねー!」

サヤコは賛同を得るように取り巻きの子供たちに言った。
取り巻きはその期待に応えるが如くうんうんとうなづいた。
サヤコにとって、ユキはいじめ甲斐のあるおもちゃだったのだ。

半にやけの蔑んだ目つきでユキを見るサヤコたちと、
隣で顔を紅潮させてうつむくユキを見て、
ユウタはふつふつと怒りが沸いてきた。

ユウタには一つ、誰にも言えない秘密があった。
それは『おねしょをしてしまうこと』だった。

そのためユウタは未だに寝るときはおむつをしている。
ユウタもこれにはひどく恥ずかしい気持ちでいたものの解決するすべもなく
、ずっと他人にひた隠しにして悩んでいた。

それだけに、ユキが『おもらしユキちゃん』と呼ばれることを、
ユウタはまるで自分の痛みのように感じたのである。

「行こう」

ユウタは取り囲む子供らを強引に押しのけ、
ユキの手を引っ張って駄菓子屋から離れた。

自分に逆らう者のいない環境で育ったサヤコにとって、
ユウタの行動は予想外だった。

「ちょ、ちょっと……!? 何あいつ……人がせっかく忠告してやったのに!」

ユキを庇い、自分のことなどお構いなしに去っていくこの新参者に、
サヤコは動揺とともに敵意の念を燃やした。


サヤコたちと離れたあと、ユキは暗い顔でうつむいていた。
おもらしのことをユウタに知られたら、ユウタもサヤコたちのように
自分をいじめるのではないかと思ったからだ。
しかし、ユウタは違った。

「あいつらの言ったことなんか、関係ないから」

ユキにとってこの言葉は、暗闇に光が差すような思いだった
。ユキは今まで、おもらししてしまうことを、
誰からも受け入れてもらえなかった。

クラスメイトはもちろんのこと、
担任教師も苦い顔を隠そうとしなかったし、
ユキの両親ですら、おもらしするとそれを咎めた。

しかし、ユキにはどうすることもできず、
ただ罪の意識に苛まれ、心を闇に落としていた。

そんなユキが今までの人生の中で、
おもらししてしまうことを唯一受け入れてくれたのは、
まだ出会って間もないユウタ、ただ一人だったのである。

「ユウタくん……」

ユキは感激のあまり目を潤ませた。しかしそれもつかの間、
突然「ひゃっ!」っと小さな声を発して体をビクンさせた。
そして、しまったと言わんばかりの表情をして、急いで股間をおさえた。

「ああっ! だめっだめっ!」

「ど、どうしたの?」

ユキの突然の変容にユウタは驚いて気遣った。
ユキは首を横に振りながら

「ひぁぁ……、やだ、見ないで……見ないでぇ……!」

と懇願した。
それと同時にユキのスカートの下から
ぽたぽたと何かがしたたり落ちた。

「ふええ……どうしてぇぇ……」

それはすぐに線へと変わった。
ユキがおしっこをもらし始めた。

≪じょろろろろお~~~~≫

「いやっ……止まって……止まってぇぇ……」

ユキは蚊の泣くような声を絞り出したが、
おしっこは勢いを衰えさせることなく、
びたびたと無情に股下から流れ落ちる。

「やぁっ、だめえぇぇ……ぁぁ……」

ユキは足をがに股にした。
これは立ったままおもらしするときに、
出来るだけおしっこがふとももから伝わないようにするためのもので
いつの間にかついてしまった癖だった。

ユキはこの情けない姿だけはユウタに見せてはいけないと思っていた。
しかし、いざおもらしを始めると、無意識のうちに
いつも通りのそのポーズになってしまっていた。

≪しゃぁぁぁぁぁぁ~~~~≫

相当溜まっていたようでおしっこは大量に流れ落ちる。
実のところ、ユキは少し前からおしっこを我慢していた。

本来ならばおもらししてしまう前に、
その場にしゃがみ込んで用を足してしまうところだが、
今はユウタがいる手前、そこらで下着を下げて、
お尻を丸出しにして用を足すというわけにもいかなかったし、
おしっこしたいとも言い出せなかったのだ。

「だめぇぇ……」

ユキは尿意を感じることは出来るが、長い間我慢できない体質だった。
我慢していると、膀胱付近が痙攣しておしっこが勝手に流れ出してしまうのだ。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ………」

しばらくすると、おしっこの勢いは衰えて線はまた点となったが、
まだ、スカートの下からぽたぽた落ちていた。
足元には水たまりを作っていた。

ユキはそのままそこにぺたりと座り込んでしまった。

空は少しずつ暮れはじめ、雲には赤みがかかり、
そよ風に揺られる草木と、遠くの山で鳴くカラスの声だけがあった。
ユウタはユキにどう言葉をかければ良いか決めかねていた。

「……ぐすっ……ぐすんっ……うぇぇ……うえぇぇぇーーーーーーん!」

ユキはまるで幼稚園くらいの女の子のように、わんわんと泣きじゃくった。
ユウタは小さくなったその姿を見ていたたまれなくなり、
この子を守りたい気持ちでいっぱいになった。

「……おれ、別に気にしてないから」

ユウタは水たまりにへたり込んでいるユキに手を差し伸べた。

「うう……ひっく」

ユキは差し伸べた手を握るとユウタは強く握り返した。
ユウタの手に引かれてユキはよろめきながら立ち上がった。

「ぐすん」

「ほら……今日はもう帰ろう」

「あ、ありがと……」

ユウタはユキの手を引いて家までユキを送った。
この日からユウタとユキは友達になった。

――

(二)に進む

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このブログについて
小さな女の子のおむつ・おもらしの小説を書いています。
モットーは、ロリ・おしっこ・おもらし・おむつです。

ハンドルネーム:でぃあぱん

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